2017年07月14日

看取り士

みなさん、看取り士という職業をご存じでしょうか?

 

昨夜、看取り士の柴田久美子さんの講演会を聞きに行ってきました。

 

知人で 元看取り士だったという人がいたのですが

その内容までは話されなかったのでよく知りませんでした。

 

柴田さんのお話では、

今の日本は 臨終の場が 病院になってしまって、

旅立つ人との別れの時間が希薄になっていたり、

身寄りのない方は寂しく旅立たれることも多くなったのですが、

 

また、柴田さんは お父様の臨終の際に、

人が旅立つ時、残される者に大きなエネルギーを与えて旅立っていく というご経験があり、

看取りの場に強い思いがあり、看取り士という職業に着いたのだそうです。

そして、その感動を多くの方々に知ってもらいたい ということで

看取りの重要さを伝えるために 全国を講演して回っておられるとのことでした。

看取られる者の気持ちだけでなく、看取る者が得る感動が大きいのです。

 

人が生まれる場に立ち会うと 大きく感動する のと同じように

人が亡くなる際に 愛で見送る状況は とてつもなく大きな愛のエネルギーの場になるようです。

残されたものに熱い大きな愛が残されるのです。

 

温かい愛と思いが引き継がれる。。。

 

興味深いお話でした。

 

実は私の母は2年半前に亡くなったのですが、

亡くなる時、 私たち兄弟と、孫娘たちは、柴田さんがおっしゃた見送り方と同じことをしていました。

 

生前、体が動かなくなる病気で 生きていることにも死ぬことにも不安と絶望を持っていた母に

私は死ぬことは恐ろしいことじゃない ということを話して聞かせました。

チベットの死者の書なんかを読んだり、肉体を離れる時どうなるのか という話をしばしばして、

母が不安にならないようにしていました。

魂の旅立ちは故郷に帰る旅だと 私は思っていたのです。

 

いよいよ臨終の際は、自宅にこそ連れて帰ることは叶いませんでしたが、

不思議と子と孫がみんな病院に駆けつけることができました。

亡くなるおばあちゃんをみんなで囲み、みんなが母を触り、一番近しく面倒を看た妹が母の頬を撫で続け

おかあさん、おかあさん、ありがとうね

と伝え続ける中で 母が息を引き取りました。

そして、亡くなった母は すぐに自宅に運ばれ居間に寝かされて、その晩はみんなが母の周りに寝ました。

私の娘たちは 亡くなったおばあちゃんの頬を撫でたり手をさすったり 

まるで生きている時のように扱っていました。

 

母は寂しくなかったろうと思います。

 

その時、全員が 強く愛を感じていました。

 

看取り士の方は 見送るご家族の不安な気持ちのご相談に乗ったり、

臨終の際に戸惑っているご家族に何をしてあげたらいいか ご指導したり

 

身寄りのない方の臨終に立ち会い、温かく見送って

幸福な臨終を迎えるお手伝いをするのだそうです。

 

 

臨終を見送る者の方が 愛のエネルギーをもらうのです。

そして世界を 愛で見るようになります。

 

海老壮さんと麻央さんもそうですね。

 

臨終の心得、 多くの方がこのことを知っていると、社会は変わります。

命の根源を見せられるような体験 です。

 

瞑想で空を知る のと 同じ類のものだ というお話もありました。

ご興味があれば こちらを読まれてみてください。

 

本 いのちの革命