2020年11月07日

リンチェン・ウォンディ

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福岡アジア美術館のレジデンス事業で

半年に2~3名ずつのアジアの若手アーティストが招待され福岡でアート活動していました

2006年の招待作家として来ていたリンチェン・ウォンディも、いろんなワークショップや教育プログラムを企画しましたが、その中でチベットタンカを描くワークショップがありました。

地域の広報紙に募集が出ていて、私は急いで申し込みました。

1週間のワークショップでしたが、内容がかなり本格的なもので とても1週間では完成できないボリュームで

参加者の私たち20名はリンチェンが滞在する残りの期間1ヵ月、アジア美術館に通って制作することを許されます。

1ヶ月アジア美術館のスタジオで一緒に絵を描きながら

みんなリンチェンのことを大好きになっていました。

本当に心のキレイな青年だったのです。

それから 私はチベット式の仏画も描くようになりました。

チベット式仏画の描き方とその意味をリンチェンに教えてもらったからです。

アジ美ワークショップにて

当時の完成作品です

全員で撮った写真もあったはずなのですが、それは残念ながら見つかりませんでした (^_^;)

リンチェンが帰ってからも タンカを描く会を続けようということになり、絵仏師の私がサークルを開きました。

それが 今のアトリエ霽月仏画の会に繋がっています。

リンチェンはその後、母国ブータンで美術スタジオを開き、政府関連の美術制作にも携わり

数々の素晴らしい絵を残します

ブータン国王の絵

私たちもブータンにも行きました。

ブータンにて

Facebookでやり取りして
離れた所に居るけれど まるで家族のような気がしていました。

リンチェンとブータンにて

いつかまた来るからね!と言って別れ

本当に行くつもりでいたのですが

今月5日、リンチェンは帰らぬ人となってしまいました。

享年41歳 脳腫瘍だったそうです。
病名がわかってわずか3週間ほど

あまりにも若すぎる旅立ちでした。

リンチェン・ウォンディ

まだまだ生きてて、沢山の絵を残して欲しかった。
あなたのような素晴らしい心を持つ優れた画家を失ったことはこの世界にとっては大変惜しいことです。多くの人があなたに癒されていました。日本人だけではないと思います。

リンチェンは 多くの人の心の中に生き続けるでしょう。

毎年1月1日のあなたの誕生日は あなたのことを思い出すことと思います。

世界が平和になり人々が幸せであることを心から願っていた その意思を

私も引き継ぎたいと思います。

誰より家族や友の幸せを願っていたあなたのために

私たちは慈しみ合い、愛を持って 互いの幸せを願いながら幸せに生きることを選んでいきます。

安心して安らかに休んでください。見守っていて下さるかしら。

私たちがそちらに行くまで 待っていてくださいね。

その時は沢山の思い出話をしましょう。