2019年09月20日

視野

人間の身体や機能って すごいと思いませんか?

例えば目、それはカメラです。

レンズを厚くしたり薄くしたりしてピントを調節する機能

瞳孔を開いたり絞ったりして光量をちょうせつして露出を合わせて

明るい所に対応したり暗がりに対応したり・・・

これは目はカメラよりもずっとすごいんです。

カメラのレンズは 同一画面では一つのピントにしか固定できませんが、

目の中のレンズは柔軟に縦横無尽に暑さを変えて

同じ画面の明るい部分と暗い部分を同時に見ることができます。

 

素晴らしい風景に出会って、その色の深さと空気感に感動して写真を撮ったら

色が飛んでしまってどうにも見たままの色が出せないのは そういうわけです。

どんな精密な機械も 人体の精巧さにはとても敵いません。

 

また、カメラがズームイン ズームアウトするように

視覚も対象物を絞り込める作用があります。

これは目のレンズの機能だけにたよるものでなく、それを解析する脳の機能もその働きを助けています。

 

目のレンズと、スクリーンである網膜には映っているはずのものが それを把握する脳で

一番注目したい者以外の情報は消えているのです。

見えているのに見ていない。

 

これは 人が危機感を持った時、

例えば原始時代に山で猛獣に遭った時、

その危機を脱出するために、全身で危険対象物に意識を向け対処するための仕組みです。

 

この機能は何億年も人類を存続させるために役立ってきました。

死に絶えないように守る仕組みです。

 

この機能は、小さな危機にも対応します。

ちょっと危ない事、集中している事、注目している事に意識を向けると

視野は絞り込まれます。

 

意識は対象物に集中し、それ以外のものが見えなくなる

 

そんなこと 意外と多いのではありませんか?

現代の私たちの身体に引き継がれる 古代の先祖のDNAとそのシステム

それらは私たちの無意識の状態でも常に働き続けています。

 

その機能はかつて役立ってくれました。

今でも危機には役立ってくれます。

そう、猛獣に襲われそうな時、

敵と刃を交えている時などです。

 

現代ではなかなか使いどころがなくなっているかも。

使われなくなった機能は、衰えるものもありますが、相変わらず無意識に機能しているものもあります。

 

あなたが見ているそのゲーム。

あなたのなかなか使いどころを失ったその機能は 使いどころを得て一心にそれに集中しているかもしれませんね。

また、敵とみなすもの、天敵とみなすもの、苦手と見なすものによく使われます。

あなたの視野はそれに集中して それ以外のものが見えなくなっていやしませんか?

 

もし、あなたが見ているそれが猛獣で 今にもあなたを噛み殺しそう  というのでなければ、

ちょっと視線を上げて、目の前に広がる広い世界へレンズを合わせて見てください。

 

あなたは とても平和な世界に暮らしていることに気付くことでしょう。

脳内の あなたを脅かすイメージは いますぐあなたを噛み殺すわけではありません。

 

あなたは ただ 一歩引いて 遠くの空と穏やかな風景へと

目線を上げてください。

 

そしてあなたを癒す場所へと 歩みましょう。

私たちはこの世界に抱かれて 生かされていることを身体全体で感じてみてください。

 

点ではなく 無限に広がる空を見てみましょう。

それは目をつむっても見える空(くう)でもあります。

 

カルマが無くなった心の内側は 快晴の空のようです。

広大な風景とあなたの心はとても似ています。

太平洋