仏画教室

昨日と今日は仏画教室の日でした。

先日の展覧会に来た方が新規で参加されることになり メンバーが増えています。

せっかく華やかになった様子を写す絶好の機会でしたのに、

いつもながら没頭する性格が災いしまして 本日も教室風景を撮影することをすっかり忘れてしまいました bearing

何かやり出すとすっかり夢中になってしまうのです。

 

そういうわけで画像は残念ながらないのですが、おかげさまでみなさんととてもなごやかで楽しい時間を過ごさせていただきました。

特に今日は 新しい下絵を探すのに アトリエの蔵書大活躍で いろんな資料が出てきました。

たぶん、うちのアトリエの仏画関連の書籍は 大概の図書館よりも充実していると思います。

 

仏画を始めた当初、

元々ちゃんとした信仰を持っていなかった私は 仏像の事も何も知りませんでした。

仏教の教義や戒律に関しても ほとんど知識がなかったのです。

ただ、美しい仏画を見て 清らかさを感じ 私もこのような絵を描いてみたい と思ってのでした。

25年ほど前の事です。

 

やりたい。やる! となったら 無謀なほど躊躇がありません。

見つけた書籍の著者の先生を調べてみますと、 

その本を書かれた先生はすでに亡くなっておられました。 weep

 

それでまた別の先生を調べて 弟子入りをお願いしたのですが、工房のすぐ近くに引っ越してこないと無理だといわれ、

当時子供が小さかったので断念。crying

本の先生のお弟子さんのされている仏画教室に行くことにしました。

お弟子さんと言っても もうプロの仏絵師の方です。

教室に通ううちに1年くらい経って先生にお願いして工房で働かせてもらうことになりました。

当時すでに絵心はプロでしたので、仏画のルールを教えて頂けると絵は描けます。

手先の器用さだけは誰にも負けない自負があり、更に負けず嫌いがどんどん突っ込んで参ります。

やりだしたら止まらない。。。

 

仏画や仏さまのことはそれからの猛勉強です。

毎晩寝る前に仏像の本を読み漁りました。 しかしながら文字を読んでいるだけでは仏さまの種類もなかなか覚えられません。

寝る前に百科事典くらい分厚い仏像事典を読みだすと 数分もしないうちに瞼が閉じてしまう始末でした。

 

でも、仏画を描くと、どんなお姿なのかどんな性質なのか、描いた仏さまの事は絶対忘れませんでした。

そして更に仏教のこともいろいろと覚えていきます。

これは、描く時、表現する時に性質や細部の表現がわからないと描けないので徹底的に調べまくるんです。

手の形、表情、着物の柄、宝飾品の形 宝冠のバリエーション、デティール、ありとあらゆることを調べて確かめます。 

しかも一枚の仏画で分からないことは何枚も何十枚も資料を集めて見比べてどう表現するか決めるのです。

仏像は 形に一々意味があるのも とても興味深い部分でした。

 

徹底的にこだわってこれでいいのか? を調べつくす。

一枚の仏画を描くのに何十枚何百枚も資料を見るありがとうございます。ありさまでした。

当時は今のようにインターネットが発達していなかったので、図書館を何軒もハシゴしたり、

博物館やお寺に調べに行ったりもしていました。

仏像や仏画の写真や印刷物をみつけると片っ端から収集したものです。

 

手に入る図版が命でした。

それから、先生の工房に通うようになってからは、すごいお宝のような図版が書斎にあって、それも見せてもらうことができました。

 

先生方は大先生のお弟子さん同士でご結婚されて ご夫婦で工房をされていたのですが、

お二人とも結婚してからの公募でのお給料のほとんどを仏像関係の美術書につぎ込んだとおっしゃっていました。

先生の所はご主人が仏師で、奥様が仏画と仏像彩色をされていたので資料の数も数百冊あったと思います広い部屋の壁三面が本で埋め尽くされていました。

パラダイスのような書庫でした。

 

 

今の時代は パソコンでいろんな画像が見られるのが夢のようです。

仏さまの種類や意味も どこにも出かけなくても情報が入るなんて 本当にすごい時代になったものだと感慨深いです。

 

でも 一般の皆様からすると、基本のルールがわからないと細部だけ見ても???かもしれませんが。。coldsweats01

仏像も瞑想も 知れば知るほど 面白い世界です。

 

そんな超マニアックな楽しみ アトリエで共有して下されば幸いです。

中台八葉院

仏像マニア必見です