今日は仏画のことを書いてみます。
なぜ仏画を描くようになったのか? というご質問をいただくことがしばしばあります。
仏教に興味を持つようになり、ある時、とても美しい仏画の教本に出会い
実際に描いてみたくなったのですね。
それまでは仏画を描くということは全く意識していませんでしたが、
その絵を見た時に私が描きたいのはこれだ と思ったのでした。
それから、 仏画について いろいろ調べるものの、これは独学では厳しいと感じ
京都の絵仏師の工房の門を叩きましたが、
そちらは家から少し遠かったので 子供が小さいうちは難しいということで断念、
当時大阪のNHK文化センターの仏画教室を訪ねたのでした。
一般向けの仏画教室で習いながら そちらの先生の工房でお仕事をさせて頂くことになり、念願の絵仏師のお仕事に就くことができました。
仏絵師の仕事は 難しくもありましたが、私にとっては本当に面白かったのです。
仏様を描いている これは私にとっては長い長い浄化の時間だったのだと思います。
毎日が飛ぶようにすぎていきました。
お寺に納める仏画や、仏像の彩色を担当していました。
仏教美術工房で一番大きなお仕事は 高野山金剛峰寺の平成の大修理に参加させてもらったことです。
ほぼ1年くらいかかるプロジェクトでした。
根本大塔の五智如来を囲む十六大菩薩像の柱巻きの 16枚の巨大な仏画の修復でした。
修復した仏画の搬入、設置、現地での修正作業はドキドキでした。
家族の都合で福岡に来るまで 仏教美術工房のお仕事をさせてもらっていました。
それにしても 運命はどうなるかわからないものなのです。
当時は真言宗が一番興味のある宗派でしたが、今は禅ですね。
でも更に原始仏教そのものに惹かれている今の自分がいます。
もしかしたら 偶像崇拝は不要なのかもしれません。
仏は一人一人の心の内にいます。その光を見つけることが大事です。
仏に向き合う窓口としてふさわしい仏像や仏画でありますように。
みなさまの心が癒されますように。