カルマの解放を自覚する

カルマの解放は 自覚がある時と無い時があります。

自分から負の感情が湧き上がって来るのを冷静に眺めている意識がある時や

どうしてこんな風に感じているんだろう?と 感情と意識が分かれているような時は

それがカルマの解放だと自覚できる時です。

でも、感情に飲み込まれている時は、相手が悪者に見えたり、自分が被害者のように感じたり

自分の正義を主張したくなったりします。

私はマトモなのに相手がおかしい ように見えるのです。

どっちがおかしい とかは 本当はありません。

それぞれに「思い」や「事情」や「カルマ」があるだけなのです。

悲惨なことや残酷なことや 卑怯なことを見ると

多くの意識はそれを否定したくなります。

でも、この世界は正しい事と間違ったことのどちらかに分けられるものではないのです。

更に、そのどちらかに分ける という行為自体が無意味なのです。

なぜなら、意識がつかんでいる現実 というのは 幻想でしかないのです。

意識が掴んでいるイメージは いとも簡単に自我の都合の良いように解釈されてしまいます。

私たちはそれを裁く必要はありません。

それが起きた時に どう心のバランスを取って平和な心に戻るか が大事なことです。

それは自分の気分を害する誰かを除去することではありません。

あなたがあなたから出てくるカルマの感情を手放すことが大事です。

それは感情を感じない ということではありません。

感情は感じるのが当然です。

感じて感じて感じつくしたら それらの負のエネルギーは全部出て行ってしまい、内側に平和が戻ります。

解放はとても重要です。

ただ、解放がある ということを知らなかったり、受け入れていない時など、
その感情が起きたのは誰かのせいだ と思いたくなったり、
自我は自分を護るために必死で正当化をしはじめます。

そんな反応も 自然に起きてしまうのですが、

自分を護ることに必死になってしまうと 責められることを避けるために

必死で矛先を自分以外のものに向けようとあがいてしまい、

それで事態を悪化させてしまいます。

本当は誰が悪いということでもなく、ただ、感情の摩擦が起きただけなのに

そこにストーリーを作り上げて 正しさを力説してしまう。

自我の意識はそれを真実だと信じこみ記憶まですり替え始めます。

だから それぞれの人にとっての真実は違って受け止められてしまうのです。

よく 喧嘩している人たちの片方から話を聞くだけでは本当のことはわからない と言われますが

それは本当にそうなんです。

両方の話を聞いてもわからないこともあります。

第三者から聞いて初めて真相が見えてきたり。。

それでも聞く人の解釈が入り込むと本当のことは見えなくなってしまうこともしばしばです。

 

お釈迦様が説いたお話を表わす般若心経は こういった人々の意識の中にある記憶や考えは幻想のようなもので本当は何もないのだ という内容です。

それらは記憶の中のイメージで 本当は実体がない。

真実とは今この瞬間の世界なんだけれども、

それは一瞬一瞬 刻々と姿を変え続けるとらえようのないもので

あって無いようなもの。それを捉えようとすること自体が無理なんですね。

でも、人は言葉を並べてそれを説明したい。

でも、その説明は何かを固定したり、歪めたり 脚色したりするので

そのストリーの中では悲劇のヒロインが誕生したり、善や悪が生まれたり

恐怖や不安や葛藤や苦しみが生じるのです。

そのストーリーから離れることが悟りの瞬間なのですが、

この感覚は言葉で表すことは不可能なのです。

私はいない という理解が難しいこのフレーズは

我を手放して世界と一体になった瞬間 腑に落ちます。

脈々と形を変え続ける命 それが我々の正体です。

イメージをいじって自我を落ち着かせるのが無駄とは言いませんが、

歪んだ状態を正当化するのはなかなかのエネルギーが要ります。

でも、自我はそういう作業に余念がないのです。

本当はそんなこと手放しても 世界は愛に満ちているのですが、

自我はなかなか自分を裁くことをやめません。

手放してリラックスしてみませんか?

瞑想に入る時 あなたは何者でもない命に戻ります。

瞑想から出てきてもそのまま命で居ていいのです。

あなたは何者でもない命のままで充分祝福されているのです。

どんな言い訳も必要ありません。

罪悪感も持たなくていいのです。

あなたが何かを裁くことをやめれば 

平和な世界と愛はそのまま実現します。

裁いているのは世界ではありません。

あなたの中のストーリーやカルマが うずいているだけかもしれません。

我々は 最初から自由なのです。

心は誰にも縛ることはできないのです。マインドコントロールは手放すことができます。

カルマも手放すことができます。

どうぞ あなた自身を自由にさせてください。

天灯